つながることで地域にチャンス! 地域と人の関係こそ可能性を生み出す

人口減少を続ける地域において、関係人口を増やす取り組みは課題のひとつ。これからの観光や旅はどう変わっていくのだろう。そこで活躍する人材に求められるのはなんだろう。旅や旅行に関わるエキスパートが語る、これからの「地域×観光」の可能性は、人と人の関係をつなぎ直す仕組みづくりの大切さにありました。

■開催:2020年11月11日(水)19:30~21:00オンライン開催
■対談テーマ:旅を学びに改革する地域観光の未来-Local × Travel × Learning-
withコロナ時代の「地域×観光」の可能性を紐解く!
■オンライン動画コチラから
■ゲスト講師 ※敬称略
平林和樹(株式会社WHERE 代表取締役、地域コミュニティメディア「LOCAL LETTER」
鮫島卓(駒沢女子大学観光文化学類准教授、ハウステンボス再生を手掛けた)
篠田翼(エイベックス株式会社、厳選された宿泊施設のキュレーションサイト「itoma」マネージャー)
■モデレーター:高橋邦男(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 執行理事)

地域の活性化のいとぐちは
人の心を動かすこと

地域にはチャンスがある! 地域の課題を掘り下げ、その解決に向けて模索する取り組みの中にこそ、地域活性化のいとぐちが見えてきます。「withコロナ時代の『地域×観光』の可能性」と題して、旅や観光に関わるエキスパート3名と語るトークセッションです。

平林:「地域と人の関係性にイノベーションを起こす」をミッションとする株式会社WHEREで地域コミュニティメディア「LOCAL LETTER」を作っています。ローカルレターは「48番目の地域を目指す地域コミュニティメディア」と称する仲間づくりのメディアです。人の幸福度を高めるために必要なのは、地域と人と人の連携だと思っています。

鮫島:旅行には人々の心に影響するものづくりやサービスを作っていくことが求められています。それが感動とか幸せを感じる、今の時代の旅行の価値なんだろうと思います。専門は観光学で、人々が旅行中に感じている心理的なものを明らかにして、それで観光商品を作ったりプログラムを作ったりする時の参考になるようなことをテーマにしています。

篠田:旅館は日本にしかない文化なんですが、年間1300件近くのペースで倒産し続けていて、旅館文化そのものがなくなってしまう危機感があります。それでエイベックスから出資を受け「itoma」というOTA(インターネット上だけで取引を行う旅行会社)を立ち上げました。旅館を守ることが地域の雇用を守ることにもつながると思っています。

withコロナの時代に見えてくる
旅のあり方とは?

2020年はコロナで旅行業界も大変だったと思いますが、観光とか宿泊に対しての考え方、価値観みたいなものも変化しているのではないでしょうか?

篠田:旅館のフロントの人たちと話をすると、一番辛いのは接客ができないこと。この業界がどうなるんだろうという不安よりも、いまお客さんが目の前にいないから、喜ばすことができないことに対してすごくストレスを感じているんです。おもてなしを本当に大切にしている人たちならではの意見だなと思います。

鮫島:このコロナで分断してしまったものを、もう一回作り直すのがツーリズムのこれからの役割かなと考えています。一次産業の人やものづくりの人たちとの大きな違いは、自分が提供するものが直接顧客に触れてお客さんの笑顔になり、たまには怒られることがあるかもしれないけど、いずれにしてもその表情を見ながら仕事ができるというのが、この産業の最大の強みでもあり魅力でもあると思います。

平林:コロナの影響によって僕らはオンタイムで世界中どこでも対面できるようになったことを改めて感じます。これをきっかけに、遠くにいてお金を消費するというビジネスモデルができてくるといいですね。そこにマネタイズが追いついてくるとインバウンド対策とかも一番健全にできるのかなと思います。

可能性からもう一歩
行動に起こす時はいま

では、コロナで出てきた地域の可能性とは?

鮫島:活性化の源は常に外部の人との関わりの中にあります。コロナであってもそれが加速できる社会であってほしいなと思います。

篠田:可能性があるという段階ではなく、実行に移していくタイミングなんだと思います。この波に置いていかれないように、おのおのが動き出すのが今じゃないでしょうか。

平林:よし行動しようという気持ちになっても、何かしら困ったことが出てくる。その時に「困った」と言える環境があれば、相談に乗って解決しようと考えてくれる人はきっといる。それが問題解決の一歩だと思います。

withコロナの時代、会えないからこそ人と人がつながる大切さを知る機会でもあります。困ったと立ち止まる段階から、行動に移す段階へ。その一歩を後押ししてくれるのも、つながって応援してくれる人たちだということのようです。

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