こゆラボ通信vol.15 〜地域おこし協力隊✖️学校 視察研修編〜

こんにちは!こゆラボ通信です。

人口1万7000人の小さな町「新富町」全体を学び場として定義し、地域の人たちとつながり、地域から学び、人生をより豊かにするための日々の活動を発信しています。

今回は、宮崎県立宮崎農業高校 生活文化科1年生(40名)が12/10に新富町で行った研修について、新富町地域おこし協力隊の福島がお伝えします。
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目次:
1.テーマ「 Lead the Self / Diversity 」について
2.「共通プログラム」×「グループ別プログラム」のハイブリッド型でプランニング
3.実現できた背景は「先生のパッション」と「こゆ財団」
4.この研修は「まち全体が学び場」を実現した事例
5.様々なリーダーシップ像から自分のアクションを考える振り返り
6.コーディネーターより一言
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1.テーマ「 Lead the Self / Diversity 」について

 この全体テーマがピタッと決まったのは、実は12/10当日、朝9:00のことです。

こゆ財団執行理事 高橋からおもむろに「もし今日について一言で表現するなら、あんじーはどういう日だと思う?」(「あんじー」というのは福島のビジネスニックネーム)と尋ねられました。

 最初に浮かんだのは、企画が始まった当初、今回の研修について財団宛に先生からいただいたお手紙の内容です。その中には、40名全員女子生徒であり、地元宮崎や九州管内の進学・就職希望者が多い背景とあわせて、普通科高校と同等の学力を持ちながら専門教育も受けている生徒一人一人が、これから自分を活かし、地域を活かしていく未来の姿を描いている先生の思い、そしてこの研修で学びたいことがはっきりと書かれていました。

 同じく地域おこし協力隊の竹内隊員と、この手紙を読みながら何度も話し合い、プログラムを組み立てていったプロセスを反芻しながら、即答していました。「自分らしいリーダーシップ、ですね」

高橋は、「あぁ、そうか。それで全部つながった。それで行こう!」と一言だけ言い、30分後の講演資料にはその内容が組み込まれていました。


会ってお話を伺う講師メンバーの多様性に触れながら紹介する こゆ財団執行理事 高橋

2.「共通プログラム」×「グループ別プログラム」のハイブリッド型でプランニング

プログラム設計は、大枠で複数パターンの提案をさせていただいて、そのあと宮崎農業高校内で検討→返事をいただいて確定という形をとりました。最初に提案したのは下の4つです。

  1. VUCA時代にも必要な「自分らしさ」=「譲れないもの」を考える
  2. 個別視察を活かして、仲間と共に異なった視点で学び合う
  3. 女性活躍とは?について考える
  4. 農業高校様プラン(農業高校よりいただいた実施例)+α

 ここから一度先生たちに持ち帰っていただき、最終確定したのは、共通プログラムとグループ分けして活動するハイブリッドプラン。KIGURUMI.BIZ 加納ひろみさんとこゆ財団執行理事 高橋の講演だけは、全員が聴講できるように組みました。その後、40名が3グループに分かれ、先生や新富町メンバーの案内で回ることとなりました。(密を避ける、スペースの広さの縛り、何より生徒の希望になるべく寄り添いたい先生の配慮あっての対応となりました。)

途中、2グループや3グループに分かれて活動するため、その際の各場所連携については、先生と運営サイドで共通のLINEグループを作り、状況を報告し合う方法を採りました。

<オープニング共通プログラム>

KIGURUMI.BIZ 加納 ひろみ さん こゆ財団 執行理事 高橋 邦男 さん

<グループ活動>
Aグループ
広報しんとみも編集している 役場勤務の二川 智南美 さん

彼とともに新富町に移住し、結婚。幸せいっぱいの日常についてもお話ししました。

芋掘り体験、児湯郡の美味しい野菜をコーディネートし、全国へ届ける こゆ野菜 発送室 黒木さゆみ さん。

黒木さんは、レシピも合わせて提供することで、野菜を美味しくたくさん食べてもらうことも大事にしています。

新富町出身で、東京で活躍の後Uターン。新富町でワインとメキシカンのお店「ナナブンノニ」を立ち上げた河野大樹さんと本武郁也さん。
週に2回オープンするから「ナナブンノニ」というお店の名前をつけたのですが、
「現在は実質”ナナブンノヨン”になっちゃってます・笑」と本武さん。

Bグループ
付箋に書かれた生徒のみなさんからの、様々な質問を読みながら、6つの仕事をしているパラレルワーカーとして福島がお話ししました。

カフェを未経験から立ち上げた、こゆ野菜カフェ 永住 美香さん

まもなく産休に入るスタッフさんに”お腹にいる赤ちゃんと働く”について、思いを語っていただきました。

海外をバックパックで旅していた時代もある、ローカル映像クリエイター 中山雄太さん

講義のあとは、商店街を歩きながら写真撮影のポイントもお話しいただき、さらに学生とシェアしあいました。

Cグループ
研究者から大きなキャリア転向。青パパイアの成分に着目し、青パパイアの栽培をしながら、加工品開発にも挑戦している 岩本 脩成さん。(12/17時点:ただいまクラウドファンディングにも挑戦中

青パパイアが実際に木に実をつけている様子を見て、お好みのパパイアも収穫しました。

アメリカで酪農を学び、ホルスタインと黒毛和牛を育てながら、低温殺菌ノンホモ牛乳を提供する松浦牧場さん。

ウシさんや牛乳の温かさを感じて、「すごい。生温かい!」「人のおっぱいも温かいのよ」といった感想もあったそうです。

3.実現できた背景は「先生のパッション」と「こゆ財団」

 研修が終わり、高校生のみなさんの出発するバスを見送る直前、先生よりこんなコメントがありました。「もしかしたら、こんな贅沢なプログラムは今年限りじゃないかと思うほどです!」。それを聞いて、手前味噌ながら、確かにこのプログラムは素晴らしい内容だと思ったのです・・・では、なぜ実現できたのか?考えてみました。

 理由はいくつかあるのですが、2つに絞るとすれば「先生のパッション」と「新富町にいる活躍人財とつながることができるこゆ財団の存在」があると思っています。

 1つ目の「先生のパッション」。今回、先生が生徒たちにどうなってほしいか、そのためにどういう機会を提供したいかが明確になっていました。「1.テーマ『Lead the Self / Diversity 』について」でも触れた手紙に込められた先生の思いを紐解きながら、プラン設計を進めた背景があります。

 日々生徒たちと接している先生方の思いやパッションなくしては、このプランの研修が新富町で実施されることさえありませんでした。

生徒たちの学びを見守る先生。先生からの発案で新富町での研修企画が始まりました。

 2つ目は「新富町にいる活躍人財とつながることができる、こゆ財団の存在」。時々、他の地域に行くと聞こえてくる言葉があります。「うちの地域には人財があまりいなくて」と。お話できる場合は、本当にそうですか?と再度聞くこともあります。

 スポットライトが当たっていなくて見つけられていない、人には出会えているけれど光るものを見つけることができていない(人財だと認識ができていない)、いるはずなのに充分につながることができていないという可能性はないでしょうか。

 新富町には「こゆ財団」という地域商社があり、地域のハブの1つになっています。「世界一チャレンジしやすい街」とVisionを掲げており、チャレンジしている人にスポットライトをあてて取材もし、ふるさと納税や野菜の販売、観光事業、その他教育事業を通じて地域の事業者さん、農家さんをはじめとする様々な活躍人財と継続的な関係性を築くことも大切にしています。その関係性があるから、状況に合わせてすぐ連絡できる、つながることができる強みがあります。

 このつながりは、こゆ財団単独で築いたものではなく、町役場、商工会議所、町の様々な事業者さんとのつながりや町外・県外でできたつながりが、さらにまだつながっていなかった方へとつながっていくという連鎖がとても大きいです。

こゆ財団オフィス「チャレンジフィールド」の入り口のボード。反射しすぎて恐縮です。

4.この研修は「まち全体が学び場」を実現した事例

 この「こゆラボ通信」では、人口1万7000人の小さな町「新富町」全体を学び場として定義し、地域の人たちとつながり、地域から学び、人生をより豊かにするための日々の活動を発信しています。

 今回の宮崎農業高校 生活文化科1年生の研修は、町内の商店街のみならず、さつま芋畑や青パパイア畑、牛さんの待つ牧場へ足を運び体験し、多様な人の話を聞き、自分らしいリーダーシップについて考える・・・まさに新富町全体を学び場としたプランでした。 

5.様々なリーダーシップ像から自分のアクションを考える振り返り

 関わってくださった方からのインプットを、より自分の中に落とし込み、思考・行動変容を促していく目的で、2回に分けて振り返りを実施しました。

 1回目は、12/10当日のクロージングとして。所要時間20分ほどだったので、この日のコースを辿り感情を思い出すことで、記憶に定着させることを目指しました。

2回目は、話を聞いた人へ抱いた感情を元に自分はどんな人なのかを探りつつ、今年度のアクションを決めることを目指しました。グループごとに発表してもらう際には、「最高の観客」というワークも織り交ぜ、発表しやすい空気を生徒のみなさんとつくって実施しました。

6.コーディネーターより一言

2回目の振り返りは45分×2コマでしたが、なかなか濃い時間になったのかなぁと思います。
もちろん生徒さんにとってだけではなく、双方にです。
学び合いができる場づくりは、全ての人が生き生きと活躍できる社会へ
シフトしていくことを助けてくれると考えています。
今後もこのようなリバースメンタリングの要素がある場づくりをしていきたいと思います。
そのためにも、ご縁をいただいた学校と継続的な関係性を築いていきます。(福島)

高校生が、1日でこれだけの方に校外で会える機会は、そう多くありません。
彼女たちにとっては非日常の体験です。
この体験を日常に落とし込むことは、社会人でも難しいこと。
改めての振り返りの時間を学校側からいただけたことは、非常にラッキーでした。
生徒さんの一人が「自分らしくあることが大切だ」と伝えてくれて、それぞれの学びが深まった時間になったのだろうと感じています。
今後は、VUCAと呼ばれる予測不可能な世の中を生きていきます。一人一人が、自分の想いを自分らしく発信する世界を、彼女たちのような生徒さんと共創していきます。(竹内)

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