ミッションと照らし合わせ、自分の役割を理解。慣例にとらわれないチャレンジを

温暖化・自然災害の増加など、地球環境問題は待ったなしの危機! 日本国内も、消滅の危機にある自治体が896自治体との提言(日本創生会議)もあり、地方の約半数は人口減少・持続可能かどうかの不安を突きつけられています。
今回は環境活動に突き抜けたアウトドア企業パタゴニアで、2019年秋まで日本支社長を務めていた辻井隆行さんをゲスト講師にお招きしました。地域プロデューサーであるこゆ財団・齋藤が、課題解決に取り組むための辻井流リーダー論を引き出します。

■開催:2020年9月3日(木)14:00〜15:30 オンライン開催
■対談テーマ:持続可能なビジネスを実現するためのリーダーの役割
■オンライン動画URL/https://www.facebook.com/1865017710416047/videos/252401805877347

■ゲスト講師:辻井隆行 氏(パタゴニア 元・日本支社長)
<参考記事・サイト>
そろそろ、みんなが勝つ方法を考えよう/ パタゴニア元日本支社長・辻井隆行さん
#いしきをかえよう

■モデレーター:齋藤潤一(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事)

パートタイムスタッフから支社長へ

多くの方が知っているように、パタゴニアはビジネスで環境問題を解決しようと取り組む先進的企業。「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッションを掲げ、4つのバリュー“Quality(質)、Integrity(誠実さ)、Environmentalism(環境主義)、Not bound by Convention(慣例にとらわれない)”を行動指針にビジネスを展開しています。

「パタゴニアの服を着ると、服への愛着はもちろん自分への愛着が湧くんですよね」。
「ありがとうございます、スタッフが聞いたら本当に喜びますよ」。

辻井さんは現在、サーフィンやカヤックなど自然を楽しむライフスタイルを実践しながら、企業のビジョン・戦略策定のお手伝いや市民活動(#いしきをかえよう)に取り組んでいます。2019年秋までは、世界的アウトドアブランド『パタゴニア』に20年間勤務し、うち後半の10年は日本支社長として会社を支えてこられました。

勉強もスポーツも仕事も、競争で勝ち上がることが価値を持つと捉えられていた時代に、自然環境に触れることの少ない東京で生まれ育った辻井さん。25歳の頃、様々な心境の変化から没頭していたサッカーも会社も辞め、それまでとは正反対のアウトドアに惹かれ始めます。パタゴニアという企業を知ることになりますが、当時は服を2着もっている程度だったとか。

辻井さんはパートタイムスタッフとして31歳で入社し、販売やマーケティング部門で約9年間勤務した後、2009年には日本支社長に抜てきされた、異例の経歴を持っています。

▲パタゴニア 元・日本支社長 辻井隆行さん

会社のミッションやバリュー(価値観)を行動指針に有言実行

「辻井さんが支社長に選ばれた理由は?」と齋藤。
直接聞いたことがないから確かではないが…と前置きをしつつ、

在籍中に二度ほど、50日くらいの長期休暇を取り、海外を旅行しました。サーフィンやカヤックを楽しみながら、ひどい森林伐採など都市部の利便性のために、現地の、声を発する術のない人たちにしわ寄せがいく現実も目の当たりにしました。
Enviromentalism(環境主義)も会社のコアバリューの1つなので、こういった経験をしていることもお声がけいただいた要因の一つかもしれません。

と振り返ります。
支店長就任当初は経営のスキルは全くなかったという辻井さん。会社のミッションに照らし合わせた舵取りとメンバーとの徹底的な対話、最終的な責任は全て持つということを徹底していったと言います。

「置かれた状況や立場によって、考え方も変わっていきましたか?」

との齋藤の質問に、
「自然体でリーダーシップを発揮する人っているけれど、僕はその立場になってから役割果たすようになるタイプ。環境問題への活動も支社長になって始めたことで、やはり意識が大きく変わりましたね」と辻井さん。

「その時の役割をよく考えて理解し、やれる人だから支社長に選ばれたんですね」。
「アウトドアスポーツと同じですよ。外的環境が変わったら、変化せざるを得ないです」。

個人に求めるより、システムに働きかける

世界の環境状況を知るにつれ、その危機感に突き動かされるようになった辻井さん。
「環境問題で、自分一人やったからって意味ない、と思ってやらない人もいると思うんです」
と齋藤が問いかけると、

その人たちも、どうせ変わらないといった無力感がそうさせているかもしれない。選挙に行かずに政策に苦言を呈するのと似ているけれど、じゃあ自分で勉強して判断して投票するよう人の行動を変えるのはとても難しいです。
それより、大元のシステム側に働きかける方がより効果的で、社会的インパクトを与える可能性は大きい。みなさんが意識せずに使っている電力が、実は自然再生エネルギーだとか。

まさに「#いしきをかえよう」は社会の声を集め、システム自体に働きかけようとするチャレンジ。一度決めたことや慣例も、時代に合わないなら変化を恐れず変えていく。退社後もパタゴニアの創業者イヴォン・シュイナード氏の教えを胸に刻み活動しています。

「どこを変えるか変えないか、何にチャレンジするのか。
それを決めて進むことが大切ですね」
と齋藤が締めくくりました。

地球のサスティナビリティに軸足を置いた活動を

これから、人間・辻井隆行はどこに向かうのでしょう?

“システムチェンジ”がこれからのテーマ。地球が回復可能な範囲で、サスティナビリティに軸足をおいた企業経営をするにはどうしたらいいかを、少数の企業さんのお手伝いをしながら深く追究していきたい。

中央集権的なトップダウンによる社会づくりは、もう世界中で限界が来ています。
自治体の自立を助けるため、ソーラーシェアリングなど環境を破壊しないやり方で地域の自立を支援するシステムも作っていきたいですね。

でも、私自身もライフスタイルを楽しみながら、持続可能なやり方でやっていきます。

自分自身のサスティナビリティも大切にするやり方が、まさに辻井さん流かもしれません。

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