地域課題をビジネスで解決する人財育成塾「宮崎ローカルベンチャースクール」
「自分のワクワクを探求し、まずはやってみよう」を合言葉に、最前線で活躍する講師陣が受講生のチャレンジを後押しする真の実践型スクールだ。全5回の講座で、地域ビジネスの基礎を学びながら、自分が楽しいことにチャレンジでき、本音で語り合える仲間もできる。
2020年1月10日(金)19:30~21:30
会場:SENQ六本木(東京都港区六本木)
宮崎ローカルベンチャースクール第3講座
講座三回目に登壇するのは、株式会社MATCHAの青木優氏。6年間にわたるメディア運営で培われた知見を受講生と共有した。
「起業にあたっての悩みや考えていることを教えてください」。開始早々、ファシリテーターから問いが投げかけられる。思いのたけを語る受講生に対し、青木氏はていねいに道筋を示してくれた。
ゼロから事業を立ち上げるにはどうすればいいか?
青木氏は「だれかのなにかを解決する」ことの重要性を説いた。
「起業前、世界中を旅していた時期があったのですが、旅先で出会う外国人の多くが日本に興味をもっていたんです。たしかに、日本食やマンガ・アニメ文化は魅力的に映るかもしれない。しかし、それを充分に発信しきれているメディアはありませんでした。ないなら作ればいい。それがMATCHA開設の発端になっています」
ローンチにあたって、MATCHAは訪日外国人をターゲットに絞りこんだ。紹介する施設や文化は外国人を強く意識したものばかり。「日本人の求める情報が外国人の求める情報とは限らない」からだ。近年のインバウンド需要も追い風になった。着々とページビューを伸ばし、英語のみならず多言語にわたって展開。現在の不動の地位を築いていった。
青木氏が貫き通してきた「日本の魅力を海外に発信したい」という思いは、受講生から挙がった「どうすれば仲間が集まる?」のヒントにもつながる。
「MATCHAのコンセプトをローンチ前からブログなどで発信し続けていました。私の思い描くビジョンを伝えると同時に、同志や共感者を集めたかったんです」
立ち上げメンバーには、数百人の応募があったというから驚きだ。明確なビジョンが柱にあれば、なすべきミッションもより具体的に。それが群雄割拠のインバウンド業界で大きな武器になる。青木氏のエピソードはそれを裏づけるには充分な説得力があった。
MATCHAは、200か国以上からアクセスが集まる。その功績は、決して青木氏ひとりで成し遂げたわけではない。
「私は企画を考えたり、提案したりするのは得意なんですが、事務作業がどうも苦手で……。部下のマネジメントも7人が限界。スタッフがたがいの弱点を補い合ってはじめて、MATCHAという事業が成立しているわけです。“やりたいこと”、“できること”、そして“時代が求めていること”。この3つが上手く交わると、強力な推進力が生まれます」
受講生ひとりひとり向き合う青木氏。そのまなざしには、先達としての期待が込められている。