アートは、社会を豊かに変えるエネルギー。 チャレンジを楽しみ、多様性と可能性を受け入れる社会へ

アートを活用したまちづくりをスタートする、宮崎県新富町。大分県別府市で活動する『NPO法人 BEPPU PROJECT』の代表理事を務める山出淳也さんをゲスト講師に迎えてオンライン講座を開催しました。
BEPPU PROJECTがまちづくりに活用するアートとは、「自由なものの見え方や考え方を促し、『気づき』を与える触媒」。
アートを通して問いが生まれ、その解決を通して社会を豊かに変える力があるのです。

■開催:2020年8月28日(金)15:00〜17:00 オンライン開催
■タイトル:今なぜアート思考が必要なのか?
■オンライン動画URL/
https://www.facebook.com/1865017710416047/videos/3512897168734920

■特別ゲスト ※敬称略
山出淳也
NPO法人 BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト
文化庁在外研修員としてパリに滞在(2002〜04)。アーティストとして国際的に活躍した後、2004年に帰国。2005年にBEPPU PROJECTを立ち上げ、ベップ・アート・マンスなど数々のアートプロジェクトを展開している。
【BEPPU PROJECTとは?】※オンライン共有画面より引用
地域の創造的なエンジンとしてアートを活用した課題解決や価値創出を行う。アート体験の提供や様々なジャンルでの創造的な課題解決を通し、多様な価値が共存する魅力あふれる地域の実現を目指すソーシャルベンチャー。2005年発足、2006年NPO法人化。現在、職員22名。売上規模約3億円程度(2018年)。
■モデレーター
齋藤潤一(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事)
高橋邦男(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 執行理事)
稲田佑太朗(一般社団法人こゆ地域教育研究所 代表理事)

目的は別府が豊かな地域になること
温泉以外の「アート」という入り口をつくること

アーティストでありながら、アート作品をつくらずアートプロジェクトのプロデューサーとして活躍される山出淳也さん。代表理事を務めるBEPPU PUROJECTで、設立以来1000をはるかに越す多数のプロジェクトを別府ほか全国各地で実施しています。

それらをカテゴライズしてみると、管轄する国の省庁が全て違う6つに分かれます。それはつまり目的はアートではなく「地域を豊かにすること」であり、意識的に縦割りではなく横軸での活動展開を考えていることの現れなのだとか。

では、豊かな地域づくりにおいて、アートはどう作用するのでしょう。

例えば、別府と言えば多くの人が「温泉」を真っ先にイメージしますが、温泉という側面だけで別府の魅力を発信したとしても、温泉に興味を持つ人たちにしか届きません。

しかし、別府でアートプロジェクトを展開すると、アートという別府への新しい入り口が生まれます。2018年10〜11月の約2ヶ月間開催された「アニッシュ・カプーアin別府」で公園にスカイ・ミラーが展示されたとき、SNSでBEPPUを検索すると投稿画像がほぼスカイ・ミラーだったとか。

アートが別府へのアクセスパターンを増やすことで、温泉とアートそれぞれに紐づく人たちが別府の違った魅力を知るきっかけに。そのようなチャレンジを繰り返しながら、多様な人の多様な価値が共存し、その違いを認め合う豊かな社会へと変容していくことが、山出さんの目指す未来像と言えそうです。

アートプロジェクトとして描く未来風景が
住民たちの「見たい風景」に変わるかどうか

「まちの目指す姿とは、誰が考えるのでしょう?」
こゆ財団・齋藤が山出さんに問いかけます。

僕たちが大切にしているのは、可能性が生まれ、排除されないこと。チャレンジが許容されるまちや社会を目指しています。
しかし、僕たちのような仕掛ける側が見たい風景を勝手につくるのではなく、それがまちの人たちにとって“自分たちが見たい風景”に変わるかどうかが重要です。

開催するアートプロジェクトが問いを生み、住民の共感を得られる取り組みであること。そのためには、
「自分がよそ者であって、まちにおじゃまさせてもらっていることは常に意識しています」。
アート性を押し出しすぎず、それでいて、まちの風土や課題感についてある程度理解していて…。バランスよく全体に関連しながらプロジェクトを統括することで、アートは自由なものの見方や考え方をまちに育み、私たちに「気づき」を与える触媒となるのだと山出さんは話します。

いろんなチャレンジがあっていい。
アートを通じて多様性と可能性を感じて

新富町では、町内の遊休資産を活用したアートによるまちづくりをスタートします。「まちの中にアートの種火は強く感じるが、どうやって着火させるかに迷いがある」と、こゆ財団執行理事の高橋がアドバイスを求めます。

「著名なアーティストを招聘するなど垂直に突き抜けるやり方、プロアマ関係なく誰でも参加できる水平軸に広がったアートイベント、どちらもあっていいですよ」。

「でもこゆ財団は新富町を『世界一チャレンジしやすいまち』にするというミッションを掲げているのだから、『えー! こんな表現が許されるのか!』と驚かれるようなアートの聖地を目指したらどうですか?」
と山出さん。

豊かな発想、自由な創造性に満ちたチャレンジが、多様性や可能性にあふれたまちを形成。正解をもとめるのではなく、可能性の幅を広げることこそ、アートがまちづくりに必要とされる理由なのかもしれません。

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