2020年10月28日(水)に開催された、宮崎県新富町のオンライン生涯学習講座第4回目。今回はなんと、オンライン配信を前後半の2部制で別の場所から行うという、難易度の高い手法にチャレンジ! こゆ財団・中山と町生涯学習課の石谷さんによる、組織を超えたチームワークを発揮する場となりました。
前半はこゆ財団・中山が
ライチ生産者の森さんと配信
新富町の新たな特産品といえば『ライチ』。こゆ財団とともに1粒1000円ライチ『新富ライチ』のブランディングに取り組んだ森緑園の森哲也さんが、本日1人目のオンライン登壇者です。
ライチのビニールハウスが並ぶ農園の作業場から、こゆ財団・中山の運営のもと、いつものようにオンライン講座がスタート。
オンライン登壇は初という森さんですが、落ち着いた様子でライチの説明を始めました。まだまだ新しい特産品とあって、実が木になっている様子、箱詰めの様子など、受講者の目にはどれも新鮮に映るようです。
森緑園が栽培するライチの9割は“チャカパット”。大きくて見栄えが良く、1粒40〜50gで糖度15度以上という贈答向けの『新富ライチ』は、この品種の栽培に成功したからこそと言えます。
5〜7月の収穫期は、ピークになると1日100kgものライチを収穫。その日のうちに出荷するため汚れを取ったり箱詰めしたりと大忙しで、パート従業員の力が欠かせません。
クエイメイピンクという品種も栽培していて、こちらは近くに新規オープンしたお茶と大福の店『みどりとすずめ』で期間限定の大福になるなど、地域のコラボ商品にもなりました。
後半は生涯学習課・石谷さんが担当
キュウリ農家の黒木さんが農業の魅力を語る
後半は、新田地区のビニールハウスから、移住・新規就農7年目の黒木寛一(ひろかず)さんが登場。生涯学習課の石谷さんが配信のサポートに付きました。
黒木さんは日向市出身。就職・結婚して暮らしていた神戸から夫婦で移住して就農した若手農家です。
キュウリ生産の大変なところは、その成長スピード。1日でキュウリは5〜6cmも伸びるそうで、収穫期は毎日ハウスでパート従業員と午前中に収穫をするとか。
神戸時代の黒木さん夫婦は二人とも会社勤めで忙しく、仕事中心の生活。すれ違いの毎日に疑問を抱き、夫婦らしい生活がしたいと二人で働ける農業の道へ。まずは寛一さんが移住して農業を学び、その後に奥様が一緒に就農したそうです。
「農業は、問題が目の前にある。手を伸ばせば現場がそこにある」
と、大変でもやりがいを感じているという黒木さん。キュウリ以外にもヘベスや梨、ぶどうなど独学で挑戦中です。
収入は以前より減ったものの、暮らしははるかに豊かになったと就農後の生活も話してくれました。
▲黒木さん(写真・手前)と一緒にハウスで配信を見守る石谷さん(写真・奥)
途中、通信状況が不安定になりハウスの外に出て配信する、というアクシデントもありましたが、オンラインならではのリアル感もご愛敬!
受講生もオンラインに慣れて
学びを楽しむ日々
今回は2人の農家さんによるオンライン講座とあって、時間は少し足りないくらいでしたが、トラブルも乗り越え無事終了。メイン会場の新富町総合交流センターきらり以外にも、公民館2箇所に加えて初の自宅での受講もあったとか。
受講場所である新田公民館へ。生涯学習課の職員が見守るなか、4名の受講者がタブレットからの画像と音声に耳を傾けていました。
受講生の一人、大木賢一さんに話を伺うと、この講座以外にも自宅でオンライン受講をしており、「行かなくても受講できるのはやはり便利。画面はタブレットよりもっと大きい方がいいですけどね」と話してくれました。オンラインを活用した新しい生活がすっかり板についている様子で、今年はお孫さんが通う学校が行った文化祭のオンライン配信も視聴していたのだとか。
▲お話を伺った、受講生の大木さん
コロナ禍のニューノーマルが着実に定着してきている。そんな実感が得られた第4回の講座となりました。