“こんまり”の愛称で親しまれている近藤麻理恵さんは、5歳で片づけにハマり、19歳で片づけコンサルタントとして活動開始。2010年に出版した『人生がときめく片づけの魔法』は世界40ヵ国で翻訳出版され、シリーズ累計1200万部を突破しました。
今回のゲストは、麻理恵さんの夫であり“こんまり®︎メソッド”プロデューサーの川原卓巳さん。麻理恵さんと出会い、運命的に距離を縮めていくなか、「キミにしかできない仕事だよ」との言葉に背中を押され、麻理恵さんのプロデューサーという仕事を選びました。
対照的なお二人の仕事術を参考に、「好きを仕事にするプロデュース術・3つのステップ」を教えていただきました。
■開催:2020年7月26日(日)13:30〜15:30 オンライン開催
■対談テーマ:好きを仕事にする超プロデュース術
■オンライン動画URL
■ゲスト講師:川原卓巳 氏(KonMari Media Inc.CEO)
・こんまり公式ホームページ
■モデレーター:
齋藤潤一(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事/ 慶應義塾大学大学院 非常勤講師)
好きを仕事にするプロデュース術・3ステップ
【一の術】好きを突き詰める
「好きを仕事にする」ためには、好きを“領域”とか“業種で考えないこと。日々の作業で、“楽しい”とか“好き”、“得意”という感覚を細分化して見ていくことが大切です。
「なんとなく興味があったり、好きだなぁって思ってやっていることは必ず意味がある」
と川原さんは話します。
例えば、5歳から主婦雑誌を読み、中学生から片づけの研究をはじめ、大学在学中から片づけコンサルタントとして活動をスタートした麻理恵さん。彼女のこの行動は、突然変異のように思われがちですが、そうではありません。
戦後、日本は高度経済成長期に突入。多くの人が物を買って豊かさを感じ、仕事は都市に集中して都市化が進みました。すると一人当たりの住環境・住面積は必然的に狭くなり、片づけが社会全体から求められるように。
雑誌では片づけの特集が組まれ、主婦が片づけに興味を持つような社会の流れが生まれました。雑誌を購読していた母親の影響で5歳の麻理恵さんが片づけに興味を持ったのは、「そうなる大きな流れが時代背景としてあったから」と川原さんは指摘します。
生活の中で“興味”を持ったり、“好き”というものは、必ず世の中の流れにおいて何らかの意味があるはず。
「我慢したりやめたりするのではなくて、好きを突き詰めて欲しい」と、一つ目のポイントを教えてくださいました。
その上でさらに、
“自分なんか”を手放して、“自分だからこそ!”で生きる。どのレベルであっても必ず誰かの役に立てるんですから。
現在アメリカを拠点に活動する川原さんだからこそ見える、日本人の性質も指摘します。
【二の術】多くの人に知ってもらう仕組みを作る
好きを仕事にするなら、そもそも自分が何を好きでどんなサービスを提供できるのか、できるだけ多くの人に知ってもらう必要があります。
情報発信は大きく分けると、
①文字 ②静止画 ③動画 ④音声
がありますが、自分はこのうちどれが好きなのか、どれに“ときめく”のか、で決めましょう。
どれが効果的かということで決めると辛くなります。続けるのが苦しいと、知ってもらうところに行きつくまでに辞めたくなりますから。
二の術のポイントは「苦ではなく、続けられること」です。
【三の術】共通体験をした人たちを繋いでいく
三つ目のポイントは、共通体験=体感すること。
人は体感して初めて感動します。感動した人たちが繋がっていく場を作っていくことで、本当のファンができていきます。
こんまり®︎メソッドが支持されたのは、多くの人が実際に触って“ときめく”かどうかを体感したから。言葉で知っているだけ、分かっているだけではなくて、体感をしているからこそ感動があったのだ、と川原さんは話します。
人種や国境などのバックグラウンドが違ったとしても、人として感じることは同じ。
“ときめき”という感覚や体感が人生を変えたという、非常に強い共感があるコミュニティが生まれ、そのなかに“与える人=麻里恵さん”と“求める人=支持する人”がいるため、そこに価値が生まれていくのですね。
好きを続けられる分量でやろう
「好きなこととは言え、やり続けるって難しいですよね」
と、こゆ財団・齋藤が質問します。
「コツは、好きを続けられる“分量”でやることかな」
と川原さん。
頑張りすぎて辞めたいと思ってしまった時は一度立ち止まって、「なぜ好きだったか」「なぜやりたいと思ったか」を考え、原点に立ち戻ってみましょう。
素直な心も大事
「どうしてプロデューサーの道を選んだのですか?」と齋藤が質問を続けます。
ずっとリーダー的存在で過ごしてきた川原さんは、人をプロデュースするという裏方的な仕事は人生初。
「『君にしかできない仕事だよ』と言われて、やってみたらメチャクチャ向いていて(笑)」
と川原さん。
周りの声に耳を傾けて素直に受け止め、やってみたことが川原さんにとっての重要な成功ポイント。
「いやぁ、自分なんて」と謙遜していると、その言葉が自分の脳に訴えかけて、そう思い込んでしまうのです。
「自分の好き」を信じて
麻里恵さんの片づけ、川原さんのプロデュース業。アプローチは違っても、二人とも好きを突き詰めて仕事をされています。
“自分なんか”じゃなくて、“自分だからこそ” と考えてください。
もっと自分の好きを信じて大丈夫!
“好き”とか、“興味がある”ことって、自分に与えてもらった役割を教えてくれているのですから。
オンラインを通して、視聴者をもプロデュースするかのような熱いメッセージで締めくくられました。
いま一度、自分の“好き”を本気で見つめ直してみませんか。